文学・人文系統

1日本文学
  • 文学から
    日本人と日本文化の
    本質に迫る
1日本文学
文学から日本人と日本文化の本質に迫る
日本の文学とその背景、言語・文化を総合的に学び、人間への理解を深める学問です。日本の文学作品は、小説、随筆、詩、和歌、戯曲など、古代から現代まで多種多様な作品があり、作品・作家理解のためには、その時代の文化・風俗・生活・宗教など、幅広く総合的な知識などを身につける必要があります。主な研究内容には、特定の作家や作品について研究する「文学研究」と、複数の作品、年代にまたがって日本文学の流れを研究する「文学史研究」などがあります。

学んだ知識や技術を生かせる職場として、出版社・教育関連企業へ就職する人や、編集・広報・宣伝などの部署を希望する人が多い。中学校教諭二種免許(国語)を取得して教員になる人や、図書館司書、学校図書館司書教諭などの資格を取得する人もいます。

2外国文学
  • 外国文学を通して、
    外国語と異文化を
    学ぶ
2外国文学
外国文学を通して、外国語と異文化を学ぶ
短大で学べる外国文学の領域は、イギリス文学・アメリカ文学にほぼ限定されます。英語力を養うとともに、文学概論、文学史、文化史などの基礎科目を学び、原書の講読や演習の形で作家・作品研究を進めていきます。外国文学の表現技巧や詩的言語を分析し、思想、歴史、心理学などの視点から新しい「読み」の可能性を探ります。また、外国文学の研究を通じて、国際的なセンスや教養、視野を身につけた人材を育成します。

語学力を生かせる専門職だけでなく、就職先は商社、金融・保険業、流通・サービス業など多岐にわたります。中学校教諭二種免許(英語)を取得して教員になる人や、図書館司書、学校図書館司書教諭などの資格を取得する人もいます。

3史学・宗教学
  • 歴史をひもとく史学、人間を考察する宗教学
3史学・宗教学
歴史をひもとく史学、
人間を考察する宗教学
短大で学ぶ「史学」は日本史が中心で、史学概論、日本史概論、日本社会史、文化人類学、歴史情報処理などのほか、古文書学や考古学なども学びます。史実を正確に把握することで、現在の社会や未来への流れを理解するための学習も行います。「宗教学」は、各宗教・宗派の研究を通して、宗教的教養を身につけるとともに、自己研鑽や人間の本来のあり方を追求する学問で、仏教系・キリスト教系に大別されますが、短大では仏教系の学科・コースが多くを占めます。

史学は、さまざまな業種の一般企業へ就職する人が大半です。中学校教諭二種免許(社会)を取得して教員になる人や、図書館司書の資格を取得する人もいます。宗教学は、僧侶・住職になるために寺院で働く人が多いですが、一般企業に就職する人も少なくありません。

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心理学・人間科学・コミュニケーション学
  • 人間の心や行動を
    科学的に考える
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心理学・人間科学・コミュニケーション学
人間の心や行動を科学的に考える
「心理学」は行動科学とも呼ばれ、発達心理学・人格心理学・臨床心理学などに加え、医学系科目、演習科目などが体系的に開講され、実験技法や臨床的技法など実践面を重視した教育が行われます。「人間科学」は、社会学・心理学・教育学を中心に人間関係のありようを研究し、豊かな人間関係を築くための知識や方法を学ぶ学問で、行動科学、文化人類学、生態学とも密接な関連があります。「コミュニケーション学」は、人と人、組織と組織などの関係を分析し、望ましいコミュニケーションのための理論と方法を研究する学問です。

心理学・行動科学の知識や高いコミュニケーション能力を生かせる職場として、流通・サービス業、観光業、金融・保険業、教育産業、医療・福祉産業などを希望する人が大半です。心理学をさらに学ぶため、大学へ編入する人もいます。

5文化・教養学
  • 文化を深く理解し、
    幅広く豊かな教養を
    身につける
5文化・教養学
文化を深く理解し、幅広く豊かな教養を身につける
「文化学」は、先人の知恵や精神の結晶である文化を国や地域、民族ごとに検証したり、文化相互の比較研究をする学問です。日本文化中心と海外・国際文化中心の2系列に大別されますが、多くの短大で両分野が開講されています。「教養学」は、人文・社会・自然科学の幅広い領域を学び、広い視野と豊かな教養、総合的な判断力の養成を主目的とする学問です。多様な文化を吸収できる豊かな感性と国際問題を科学的に考察できる知性を磨く国際教養学を学べる短大もあります。

文化学・教養学を学べる学科にはさまざまな専攻・コースがあるので、就職先の業種は多岐にわたりますが、流通・サービス業、金融・保険業などに進む人が比較的多くいます。

語学・言語学系統

6語学
  • 実用的な語学力と
    国際教養を身につける
6語学
実用的な語学力と国際教養を身につける
英語を対象とする短大がほとんどで、「生きた英語」の習得を目標に外国人教育スタッフを充実させています。英語圏の地域社会、文化、経済など、幅広い知識を身につけるとともに、商業英語・英語秘書などの実務的な科目やTOEICテスト対策などにも力を入れています。多くの短大が英語圏で語学研修や留学を実施しています。なお、中国語、フランス語、スペイン語などを専攻・コースや科目として学べる短大もあります。また、日本語を言語学的に扱う学科では、日本語の成り立ちなどを学ぶとともに、多くの場合は文学も学べます。

語学力を生かせる職場として、商社、金融・保険業、流通・サービス業などを希望する人が大半です。中学校教諭二種免許(英語)を取得して教員になる人や、図書館司書、学校図書館司書教諭などの資格を取得する人もいます。

教育系統

7保育・幼児教育学
  • 子どもの心身の
    健全な成長を
    豊かな感性で支える
7保育・幼児教育学
子どもの心身の健全な成長を豊かな感性で支える
保育・幼児教育学は、幼稚園教員や保育士の養成を主目的とする学問で、めざす職業により専攻・コースが分かれている短大もあります。幼稚園教諭二種免許の取得には、教科に関する科目と教職に関する科目(保育原理、教育方法論、発達心理学、教育実習など)について所定の科目を履修する必要があります。保育士資格の取得には、児童福祉法で定められた科目履修が必要で、音楽・造形・言語表現などを実習とともに重点的に学ぶほか、保育原理、子どもの保健、社会福祉、保育の心理学、保育実習理論などについても学びます。

幼稚園教諭二種免許や保育士の資格を取得して幼稚園・保育所で働くだけでなく、企業・病院などの保育施設・託児施設や児童福祉施設で働くなど、活躍の場は多くあります。一般企業に就職する人もいます。

8初等教育学
  • 幅広い知識と教養を兼ね備えた保育・教育者を育成する
8初等教育学
幅広い知識と教養を兼ね備えた保育・教育者を養成する
初等教育学は、小学校教員の養成を主目的とする学問です。小学校教諭に必要な幅広い教養と基礎的知識を身につけるために、人文科学・社会科学・自然科学、外国語、保健体育などの教養科目を学んだ上で、専門科目として教科と教職に関する科目を学びます。小学校教諭二種免許を取得するためには、教科に関する科目と教職に関する科目(教育原理、教育方法論、教育心理学、特別活動論、教育実習など)について、所定の科目を履修する必要があります。なお、幼稚園教諭二種免許を取得できる短大もあります。

小学校教諭二種免許を取得して小学校の教員になる人だけでなく、児童福祉施設などで働く人や、教育系出版社・教材メーカーなどの教育関連企業へ就職する人もいます。また、公務員になる人や、一般企業に就職する人もいます。

9養護教員学
  • 子どもの安全と
    健康を守るための
    知識と技術を学ぶ
9養護教員学
子どもの安全と健康を守るための知識と技術を学ぶ
養護教員学は、小・中・高等学校の保健室などで児童・生徒の健康管理に携わる養護教諭や、中学校の保健科教員の養成を主目的とする学問です。健康に関する幅広い専門知識・技能を身につけるために、養護教諭の仕事、児童理解や学校での教育実習、看護技術を身につける臨床実習などを通して実践的に学びます。主な専門科目には、医学概論、生理学、解剖学、病理学、細菌学、薬理学、衛生学、予防医学、学校保健などがあります。教員免許の取得には、教職に関する科目と教育実習の履修が必要です。

養護教諭二種免許を取得して小・中・高等高校の養護教諭(保健室の先生)になる人や、中学校教諭二種免許(保健)を取得して中学校の保健科の教員になる人が大半です。また、医療施設や福祉・介護系施設などで働く人もいます。

美術・デザイン・芸術系統

10美術・デザイン/芸術その他
  • 豊かな表現力と
    技術を身につけ、
    芸術の本質を探究する
10美術・デザイン/芸術その他
豊かな表現力と技術を身につけ、芸術の本質を探究する
「美術」は絵画に重点を置く短大が多く、職業的教育よりも各専門分野における基本的な知識・技能を学び、美術的教養を広く身につけるのが一般的です。「デザイン」は、グラフィックやイラストレーションなどのビジュアル系、建築物やインテリアなどの環境系、ファッションやクラフト、工業製品などの生産系の3系統に大別され、専攻・コースにより学べる内容が大きく異なります。「芸術その他」には、芸術文化学、写真、マンガ、映画、演劇、舞台芸術、美容芸術などがあります。

専攻した分野で学んだ専門知識や技術を生かした専門職に就く人やデザイナーになる人、企業の広報・宣伝部門で活躍する人が大半ですが、一般企業に就職する人も少なくありません。中学校教諭二種免許(美術)を取得して教員になる人もいます。

音楽系統

11音楽
  • 音楽の実践的な能力と
    豊かな教養を
    身につける
11音楽
音楽の実践的な能力と豊かな教養を身につける
音楽には声楽、器楽、作曲、指揮、音楽教育などの専門領域がありますが、短大では楽器(ピアノ)と声楽が中心となります。共通科目として音楽史学、音楽美学、民族音楽学、音楽心理学などがあり、専攻ごとに和声学、演奏法、伴奏法などを学びます。音名で歌うことや楽譜の読み書き、リズムの学習など、音楽を理解し表現するための基礎的な訓練であるソルフェージュは、いずれの専攻でも必修です。器楽・声楽とも実技の多くは個人レッスンで行われます。音楽療法などを学び、音楽療法士2種の資格を取得できる短大もあります。

専門分野を生かすため、演奏家をめざす人、音楽教室などで指導者になる人、音楽・音響関係の企業や学校・教室で働く人が大半です。専攻科に進学して学業を継続する人や、中学校教諭二種免許(音楽)を取得して教員になる人もいます。

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